「どうしてだ」






「僕は僕自身に『契約』しているから…」





「『契約』…そんな話、一度も聞いたことないぞ」



「話さなかっただけだよ。それにもう十年も前の話だから」



「『契約』か…何を契約したんだ」



「『超越者』の能力を制御するために…その結果、僕は人を殺すと僕自身が死ぬことになる契約をしたんだ…」



「だからか…俺と任務をした時、誰も傷つけずに物だけを破壊しているのは…」




「そうだよ。でもその力の制御が難しいんだ。
さっき言ったように別の能力と併用して能力を使わないと手加減が出来ないから…」




「神山はどうしてその能力があるか知っているのか」





「知らない…これが運命としか言えないよ」




「そうか…、つい最近知ったんだが、俺達の命を狙ってた『G』のことは知っているよな」





「それは知っているよ。僕が仕事をしている最中にナナミが襲われたんだ。忘れられない日だったよ」





「その時はどうしたんだ」






「僕は気づかなかったんだ。
戻って来た時、人に話を聞いたよ。
そのときは『W』が助けてくれたから何とかなったけど…」