「……一体、何の用?」


「んー?」


「桜助!」




声を荒げた私を、桜助はじっと見つめた。






「あのコと別れるから。やり直してほしい。」


「バカじゃないの。」


「…悪かったと思ってるよ。
でも、翼ってあんまり束縛とか嫉妬とかしないからさ。大人っていうか。
正直、浮気くらい笑い飛ばしてくれんのかなって思ったところもある。」


「…………。」


「勝手なのは分かってる。だけど、俺は翼がいい。その気持ちに嘘はないよ。」


「帰って。」






そう言い放って背を向けた私を、桜助は抱きしめた。




「ッ放して!」


「ヤダ。」



強い力に、抗うこともできない。





「もう、傷つけたりしないから。ちゃんと翼だけを見てる。信じてほしい。」




熱っぽい声、桜助の言葉が耳元で響く。


「もうイヤなんだよ!!愛とか、恋とか!!面倒くさいんだよっ!!」







ジタバタと足掻いても、男の力には適わない。




桜助は強い眼差しで私を見つめると、そのまま唇を塞ごうとした。






ッキスされる!!