「ねぇ、歩美。」 「ん?」 「犬って、どうやって飼うの?」 「は?犬??」 「うん。昨日、野良犬拾ってさぁ…。」 私の言葉を聞いて、歩美は固まってしまった。 「犬!?翼が!?……あのゴミ屋敷で犬飼う気!?」 「あー、ウチの犬が片付けてくれて、さ。」 「…はっ?犬が!?」 「そう。犬が。」 歩美は再び固まる。 「…犬種は?」 「雑種?」 「メス?」 「オス。」 「名前は?」 「あーっと…ジン!」 そこまで答えて、ようやく歩美の質問攻めは終わった。