「ねぇ、そういえばさ。」


「んー?」


「愛犬クンは未だ行方不明中?」


「…まぁね。」







私は、空を眺めた。









東京でも星は見える。


東京にも、青い空はある。






「いつ帰ってきてもいいように、部屋を綺麗なまま維持するのは大変。」


「洗濯やら、掃除やら、でしょ?」


「うん、うん。」


「オトコでもないのにねぇ〜。
よく、そこまで努力するよ。」



歩美は呆れぎみに、呟いた。







「オトコだったりして?」



そう言ってみた私を見つめて、歩美は数秒固まった。


「……何それ?つまんない冗談!」





私は、ふふふっと笑う。