腹が立っている私をよそに、男は上半身裸のまま不思議そうに口を開いた。 「…もしかして、俺のこと知らないの?」 「はぁ!?」 知らねぇーよ!!、という言葉はギリギリのところで飲み込んだ。 「そういえば、ここ、テレビもないもんねぇ〜。」 ……何言ってんだ?この男?? 「テレビは母が嫌いだったから。ウチにはラジオしかないけど?」 「へぇ。」 男は、なぜか微笑んだ。 ………マジで何なの? 私は男を睨む。 しかし、男は動じない。 それどころか…………。