「紹介するよ。彼の名前はイツキ。僕と一緒に此処で暮らしている。
そして君の命の恩人だ。彼が君を此処に運んで来たんだ」
やはりこいつだったか。オレはこんなこと望んでいなかったから、礼なんて言わない。
だが、一つ確認しておきたい事がある。それだけは聞いておこうと思う。
「イツキ、とか言ったな。何でお前、オレを助けた?
殺すなら殺せとは言ったが、こんなこと頼んだ覚えはない!」
「………………」
イツキは黙ったままだった。こんなに怒鳴っていると言うのに、
身をびくつかせる以外何も表情一つすら変えない。その様子にオレはやたらと苛立った。
「何とか言えよ!」
「えーっとだね……」
「リクだったっけ? お前には聞いていない。オレはイツキに……」
「いいから話を聞いて! イツキだって黙っていたくて黙っている訳じゃないんだ。
……声が出せないんだ。つまりは、話す事が出来ない」
表情を曇らせたリクの言葉が終わると、すぐにイツキは一枚の紙を取り出した。
そこには“ごめんなさい”と書かれているではないか。
その表情はリクと同じように曇っている。
そして君の命の恩人だ。彼が君を此処に運んで来たんだ」
やはりこいつだったか。オレはこんなこと望んでいなかったから、礼なんて言わない。
だが、一つ確認しておきたい事がある。それだけは聞いておこうと思う。
「イツキ、とか言ったな。何でお前、オレを助けた?
殺すなら殺せとは言ったが、こんなこと頼んだ覚えはない!」
「………………」
イツキは黙ったままだった。こんなに怒鳴っていると言うのに、
身をびくつかせる以外何も表情一つすら変えない。その様子にオレはやたらと苛立った。
「何とか言えよ!」
「えーっとだね……」
「リクだったっけ? お前には聞いていない。オレはイツキに……」
「いいから話を聞いて! イツキだって黙っていたくて黙っている訳じゃないんだ。
……声が出せないんだ。つまりは、話す事が出来ない」
表情を曇らせたリクの言葉が終わると、すぐにイツキは一枚の紙を取り出した。
そこには“ごめんなさい”と書かれているではないか。
その表情はリクと同じように曇っている。