Monochrome Hands[BL]

「彼にかい?」


イツキはリクの問い掛けに頷くと、オレの傍の小さな机にそっとそれを置いた。

表情が曇ったままだったかと思えば、ふっと優しく微笑んだ。まるで何かに安心したかのように。


「なんだよ?」

「君が険しい表情をしていない事に安心したんだよ。な、イツキ?
話が途中だったね……まあ、イツキがいても良いか。此処からなら」


リクは何かを少し考えてから、何かを決意したかのような真剣な表情でオレに言う。


「その残りの傷が治ってからで構わない。イツキの用心棒になってくれないか?」


オレは勿論、その言葉にイツキも驚きを隠せない様子だった。

一体それはどういう事なのだろうか?


「言っただろう? イツキは傷を食べないと生きていけない体質だと。
そこでイツキは考えたんだよ。この辺りは治安が悪い。
血も絶えない。つまりは……?」


イツキが少し慌てている。しかしそれを言うなとは言えず、ただあたふたしているだけ。

リクの口を塞ごうと必死になるも、リクはイツキの阻止を軽々とあしらった。