『いつその気になるの? いっとくけど、こうやって言わせてる時点で、わたしはもうとっくにその時期はすぎてるからね』
『…』
『あからさまにがっかりしないでよ! いいよもう、ホントに知らないからっ。毎日毎日いっしょにいて、“ちくしょう、オレはもうお前のことが好きすぎる! 好きすぎてどうにかなってしまいそうだよ!” とかないわけ? キスしたいとか、抱きたいとか、そういうのないわけ?』
『…だって、実験だよ? みんな見てるんだよ? ぼくたちの“すべて”を。そんなことしたらハズカシいじゃないか』
『ハズカシいって何よ! あいつらの実験はまさにその“ハズカシいこと”を見るためでしょ?! なんの関係もなかったわたしたち二人が、こうして日々いっしょにいることでお互いを知り合って、認めあって、ああ、この人のことが好きだな、愛おしいな、っていう感情の変化を記録して、ついに愛のエンディングを迎えることを期待してるんでしょ? じゃなきゃこの実験、ずっと続くわよ! 一生ここから出られないよ!』


