【実話】キズナ〜未来へ〜

出ないと勝手に決めて電話したから、美沙が出てくれてもすぐに言葉が出なかった。

「もしもし?誰?」

久ぶりにきいた声を懐かしいと思ったけど、それ以上に今まで我慢したものが一気にあふれ出した。

「美沙、亜美だよ」

泣きながら、それでもちゃんと美沙に声が伝わるようにゆっくり話す。

「亜美!?あ~もう信じられない。これ夢じゃないよね。本当に亜美なんだよね?」
「うん…」
「ずっと連絡なかったから嫌われたかと思ったよ…。連絡してくれて本当にありがと」

電話口から、美沙の泣く声も聞こえてくる。
やっとやっと話せた。繋がった…。

「亜美。今どこにいるの?地元にいるの?」
「今は、静岡…」
「遠いよ。会えないじゃん。地元に帰ってこないの?」
「帰りたい。帰りたいけど帰れないの」
「あ…親さんと一緒だよね。私親さんに嫌われてるしなぁ…」
「違う。親はもう一緒じゃないから…」
「なにそれ?束縛厳しい男にでも捕まった?」
「ううん…」

美沙は、少し黙ると。
静かに低い声で私に聞く。

「亜美、やばいことに巻き込まれてるでしょ。全部正直に話して」
「言えないよ。美沙まで巻き込みたくない…」
「言えって!あんたなんで私にかけてきたのさ。もう自分でどうしようもないところまできてるんでしょ!!!!」

見透かされたようにそう言われて、きっと美沙にもどうしようもないけど、話すだけ話すことにした。