黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】





「鈴が[黒猫]ってことは俺は知ってるんだよ。」


「痛い痛い痛い痛い!痛いって龍騎!」



龍はグリグリと暁人を踏み潰している。




あー。

龍が怒ってるのは


そんなコト俺様は知ってるんだから今更言ってんじゃねぇよ、みたいな?




……アレだね。

天上天下唯我独尊って龍のためにあるような言葉だね。






「ねぇ鈴ちゃんー。」

「ホントに[黒猫]なのー?」




双子が私に聞いてきた。


『なんで?』



「だって[黒猫]の髪は艶のあるロングだって言ってたしー。」

「鈴ちゃんの髪、艶なんか無いし、ボサボサのショートだからー。」




『あぁ、だってコレ、カツラだから。』



そう言って私はカツラをとった。



長い髪が私の肩や腰にかかる。