ふと、関西弁の男が思い出したように開口した。
「そういや、わいらは自己紹介してなかったな。
わいは榊 暁人(サカキ アキト)ゆうねん。〔狼-ロウ-〕副総長や。よろしゅう。」
そう言ってニカッと笑ってきた。
私は頭を少し下げてお辞儀を返した。
顔をあげると
「「僕たちは」」
と、目の前に双子。
ビックリした。
心臓に悪いよ。
そんな私にお構い無く、双子は自己紹介を続ける。
「南 流紀(ミナミ ルキ)!」
「南 流斗(ミナミ ルト)!」
「「〔狼-ロウ-〕の幹部だよ。ヨロシク☆」」
みごとなハモリを披露してくれた。
うーん、さすが双子。
「……柳… 尚哉(ヤナギ ナオヤ) 。…〔狼-ロウ-〕幹部。」
外国人ぽい人も自己紹介してくれたけど……コメントしづらい。
無口だからなぁ。
ただ、日本人なんだな。と分かった。