黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】





「そうだ。」


また背後から偉そうに答える龍。


あははピンチ。
バレないように気を付けなきゃ。


でも
結局分かんない。



『なんで関東No.1だからって媚びるの?意味わかんない。』


むしろ皆逃げなよ。
君子は危うきに近づかないんだよ。


「〈狼-ロウ-〉に入って有名になりたいとか目立ちたいとかだろ。」


龍の答えで、女だけでなく男も媚びるんだ、と引いた。

私、いま龍の脚の間に背を向けて座ってるから見えないけど

龍、きっと嫌そうな顔してるんだろうな。




『自分の力で強くなろうとしない他力本願の弱い奴が媚びるんだろうね。』


私はポツリと言った。


ださいね。

そう思いながらキャンディーを舐める。



すると


「ククッ。やっぱりお前、気に入った。」


と、龍に再び頭をわしゃわしゃとなでられた。


ただでさえグシャグシャな髪なのにヒドイことになるよ。私の頭。


というか………カツラずれそう。