黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】





『龍が初対面を名前で呼ぶの、珍しい?』



私が聞くと



「あったり前やん!孤高の狼を気取っとるコイツが!」


「「出会って間もない人に名前呼ばせるなんて珍しいどころか!」」


「ありえ、なかった…」


四人にものすごい剣幕で言われた。

あ、はい。
なんか愚問だったようでごめん。



でも分かんない。


『なんで?』


再び問うと


「媚びを売ってくる奴ばかりだからな。」


答えは背後から聞こえた。

龍が答えてくれたらしい。



『媚び?』


「俺等、〈狼-ロウ-〉っていう族に入ってんのや」

今度は関西弁の男が答えた。


ん?

〈狼-ロウ-〉?


って、確か



『関東No.1の?』



ピンチ再び。