黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】






なので
バッと距離をとり、フシャーッと威嚇した。


「………猫や」


一連の流れを見ていた関西弁の男がボソッと呟いた。


いや、紛れもない人間ですけど。



すると、金髪男はポケットをごそごそとあさり



「あ、あった。ほれ、コレやるからこっちこい。」



と、苺ミルク味の棒つきキャンディーを私に差し出してきた。



『……ぅー。』



欲しい。


欲しいけど………どうしよう。



「オレンジ味もいるか?」



『………。』



私は無言でトテトテと金髪のところに行った。


「ほれ。ここに座れ。」


そう言って金髪が指差したのは、金髪の脚の間。



私は素直にちょこん、と座った。


すると


「ほらよ。」



と、棒つきキャンディーを2本渡された。



『ん。』



私はそれを受け取り
ガサガサと包みをはがしパクッと口に入れた。


カラコロと飴を動かしながら舐めると、甘さが口に広がる。

苺ミルク、おいしい…。