黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】





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「じゃあね!鈴くん!」


「楽しかったよー!」



『俺も楽しかった。じゃあ、また会えたら。』



私はそう別れを告げて、手を振った。


女の子二人も手をブンブン振りながら「バイバーイ!」と言って帰っていった。




「よぉ九条!お疲れ!
閉店だ、よく頑張ってくれた!先生は嬉しい!」


塚原が肩に手を置いて話しかけてきた。



『塚原がホストにしたから、女の子相手して疲れた。』


「しかしお前、すげーな。お前の売り上げ、五万超えてんだけど。」


私の発言は無視する塚原。

………って、五万円?
まじですか。




「いやー、お前、ジンジャーエールばっかり売りつけてくれたから、儲けたな!」


『売りつけたって……人聞き悪い。女の子たちが進んで買ってくれたんだよ。』



そう。

女の子たちは、あのぼったくりメニューを買ってくれた。


嬉しいことだよね。