黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】






私は指名されたテーブルへ行った。


『ご指名ありがとうね。鈴です。
今日は楽しんでいって。』


ニコッと営業スマイルで挨拶すると、顔を真っ赤にするケバい女の子二人。



「ヨロシクねー!」


「きゃー!鈴くん格好いい!」


『ハハ。ありがとう。君たちも可愛いね。』


なんて、思ってもないことを言ってみたりしても気づかれない。


というより、逆に喜ばれる。




「やっだー!鈴くんお世辞上手ー!」

「ホントー!」



テンション高いなー。


この子たちの相手、疲れそうだな。



『お世辞じゃないよ。あ、ドリンク頼む?さっきから大きい声出してるから、のど乾いたでしょ?』


自然な流れでドリンクを頼ませる。




「鈴くん優しーい!」


「もう嬉しいから一番高いの頼んじゃうよ!」



『え?ホント?ありがとう。』


ここでまた営業スマイル。




でも、いいのかな。

一番高いの、ジンジャーエールなのに、二千円なんだけど。



ぼったくりだよね。