黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】





ジトーッ、と
私は金髪の男を睨む。(瓶底眼鏡のせいで効果ないと思うけど)



「変な奴……あ?」



金髪男は首の後ろをガシガシと掻きながら、なんか呆れてたけど

何を思ったか、金髪が顔を近づけてきた。


鼻と鼻が触れ合いそうなくらい近い。



『なんでしょう、か』



少し身を引く。
近い近い近いって。



「お前……この眼鏡、ダテか?度が入ってねぇだろ?」


コン、と私の鼻にかかってる眼鏡のレンズを指で叩かれた。


いきなりピンチ、かな?

というか、眼鏡汚れたよ、うん。眼鏡拭き、家に忘れちゃった。


少し現実逃避していると


「なんでそんなダセェだて眼鏡してんだ、外せ。」


と、命令っぽく言われた。


『いや。』




見るからに不良な人達に〔黒猫〕ってバレたくないし

言い方が傲慢だから嫌。

私が拒否したら



「じゃあ俺が直々に外してやるよ。」



と偉そうに言って
眼鏡に手を伸ばしてきた。