黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】




みんな顔が耳まで真っ赤。


そんなに怒るなら女装させないでよ。




「あ……とりあえず、客のフリ、頼んだ。」


「ちょ……俺、あんな美人目の前で接客できへん!
それに龍騎からの殺気がハンパないねん!」


暁人が慌てたように必死で言った。


暁人が言うとおり、龍は暁人を睨んでいる……というより、嫉妬の視線を送っている。

可愛くなった鈴が、暁人の客役をするのが気にくわないのだろう。




『暁人が嫌なら着替えるんだけど……。』


「いや、嫌じゃないんや!むしろ嬉しいし!でもな……理性を保てるかが心配やねん…ごはっ!」


なんか龍が暁人を蹴ったので、暁人が私の視界から消えた。




『理性?』


「鈴は知らなくていい。」



龍はすごい形相なので、知らない方が身のためだと悟った。