みんな顔が耳まで真っ赤。
そんなに怒るなら女装させないでよ。
「あ……とりあえず、客のフリ、頼んだ。」
「ちょ……俺、あんな美人目の前で接客できへん!
それに龍騎からの殺気がハンパないねん!」
暁人が慌てたように必死で言った。
暁人が言うとおり、龍は暁人を睨んでいる……というより、嫉妬の視線を送っている。
可愛くなった鈴が、暁人の客役をするのが気にくわないのだろう。
『暁人が嫌なら着替えるんだけど……。』
「いや、嫌じゃないんや!むしろ嬉しいし!でもな……理性を保てるかが心配やねん…ごはっ!」
なんか龍が暁人を蹴ったので、暁人が私の視界から消えた。
『理性?』
「鈴は知らなくていい。」
龍はすごい形相なので、知らない方が身のためだと悟った。



