黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】






『屋上、広いな。』


無機質なコンクリートの屋上。

空は青く
雲は白い。


色とりどりな世界で
灰色の屋上だけが、違う世界な気がする。


でも



『なんか、懐かしいな。』


昔、〔魔女〕と2人
屋上ではしゃいだ。


楽しかった。
たぶん、あのころが、一番。



でも
もう、戻れない。

私は自嘲的に笑った。



私はコンクリートの上に寝転がる。



『………ごめん。』



何に対しての謝罪なのかは、自分にも分からないけど
呟かずにはいられなかった。



そして私は目を閉じ
また眠りについた。