もう一度、名前を呼んで。【完結】




「藍那ぁー久しぶりだねぇ〜」

まだお酒飲んでもないのに酔っ払いみたいなテンションのこの人は…

たしか……


「けいちゃん?」

「お〜!聞きました!?風斗さん!藍那が俺の事覚えてるっすよ〜!」



けいちゃんは泣きそうな声でパパに絡んでいる。


「よかったじゃねぇか、啓司‐ケイジ‐」



そうか、けいちゃんの本名は啓司さんか。



「藍那ぁ〜」



…けいちゃんってあたしが大好きだったんだよね。

そう言えばアメリカ行ったばっかりのころはたくさん手紙がきてたっけ。



「お前〜手紙返さねぇか!俺は毎日泣いてたんだぞ〜」



そんなことを言って泣きまねをする。



……めんどくさい。




「おい、啓司。藍那ちゃんがめんどくさがってんぞ。」

「んなわけねぇよ〜篤志‐アツシ‐

……げっ!藍那!そんな目で見ないでくれぇ〜!!」





……はぁ。



てか篤志って……



「あっちゃん?」