もう一度、名前を呼んで。【完結】

そんな…



「藍那、んな顔すんなよ…」


困ったように悠唏が言って。



…そんな顔にさせたのは誰よ。


そんなことを思った。



「頼む、藍那。」




しっかりあたしの目を見てそう言うから、あたしはしぶしぶ


「分かった…」



と答えた。



「家にも、けいちゃんに送ってもらうから。」



久しぶりに、固い笑みを作った。



でもクオリティーの高いそれは誰にもバレない。