もう一度、名前を呼んで。【完結】





「ちょっ…悠唏?どうしたの…?」



きつくきつく、悠唏はあたしを抱きしめる。


その強い腕が小刻みに震えていて、あたしはチクリと胸が痛んだ。



「悠唏…」


そう呟くと、抱きしめる力が弱くなる。




少し離れて悠唏の顔を見てみると。



「藍那…やっと…起きた…」




今にも泣き出しそうな、辛そうな表情をしていた。



ああ、あたしはどれだけ悠唏を不安にさせたんだろう。


どれだけ心配をかけてしまったんだろう。




そう思って、切なくなった。