もう一度、名前を呼んで。【完結】






あたしは強く目閉じる。

感覚を振り払うように。




すると




「何やってんだ」




低い、地を這うような声が聞こえてきた。




「七瀬のツレの子なら離そうと思ったんだけど〜

違うって言うからね。

連れていっちゃおうかな〜。」


「……――チッ」


「あはは、この子震えてんの!

可愛いねぇ〜」





気持ち悪い………




あたしは気持ち悪いのと怖いという感覚が離れなくて、無意識に震えた。