・・・・美穂が死んでもう4年がたとうとしている。・・・・

病気、癌で苦しみながら死んでいった美穂・・・最後の女だと思っていた。

それいらい俺は、彼女を作ってない。

言い寄る他人はいるけどその気になれない。

今でも死んだ美穂のことあめの日になるとそっと思い出す。

長い黒髪が印象的な女性だった、エキゾチックな切れ長の目。

そして包み込むような優しい微笑み。

お墓参りの帰りに立ち寄ったカフェでぼんやり美穂のことを考えていた。

店を出ると外は晴れていた・・

家に帰って初めてかさを忘れたことに気づいた。

あれは美穂に誕生日プレゼントに買ってもらった大切なものなんだ。