禁断愛 母と悪魔の子



「キスト……」


「リディア……。“母さん”、“僕”“泣かないよ”」


暗示のように語られたことに小さなころのキストと今のキストを結びつける。


「あ……」


泣いていた私。


立てない足だから、変わりに膝で寄る彼。


私の胸元に彼の頭があり。


「“だから”“母さんも”“泣かないで”」


腕を体に回された。


習慣か、気づけば私もキストに腕を回す。


「痛かった、ね……」


「うん。でも母さんがいるからへっちゃらだよ。いっぱい、いっぱい痛くても。母さんがいれば痛くない」


甘えたような“いつも”の喋り口調には、“日々”を感じる。