キストが、やった、んだ。
じゃなきゃ納得できない、キストがこんなにも普通なのが。
じゃなきゃ説明できない、人間の体が真っ二つに切れたことが。
いつかを思い出す。
岩をバターのように切ったあの時を。
岩も切れたんだ。皮も肉も骨も、念じるだけで切れるという、あの――
「撃て――、撃てぇぇぇ!」
危機迫った声はまさにその通り。
鉄砲の引き金が引かれるとこで――人が死ぬ。
やられる前にやってしまおうということか、順に一人一人確実に死んでいく。
己が臓物を土のこやしにしながら。
「ひい」
鉄砲を捨て、逃げる警官隊。
立てなくなるものもいて、警官隊は全員戦意喪失になっていた。
「はっ、悪魔狩りとは。他の悪魔がどうなろうが知らないが、俺までも手にかけようとするとはとんだ恩知らずだな」
私を抱いたままキストがいらつくように喋った。


