はぁ…


結局
昨日はアイツの事で頭がいっぱいだった。



なのに、
どこで会ったのかがまったく思い出せなかったし…





思い出せなくてイライラしてると、


「御堂さん、
入り口で先輩が呼んでるよ。」


クラスメート(男)
が親切に呼びに来てくれた。




「ありがとう。」




(先輩?
また、面倒事か?)





見に行くと、

そこに立っていたのは…


入学式の時に会った藤先輩だった…



「あの、何か用ですか?」



よく見ると、
藤先輩も昨日のアイツと同じぐらいの背丈だ…



…164センチしかない私を先輩は見下ろした後、

笑顔になった。




「君が御堂さん?
入学式の時に会ったよね。
覚えてるかなぁ?」



(やっぱり
チャラい先輩だな〜)




「あっ
覚えてます。
確か弓道部の…」



(そうか!
弓道部つながりか…)




「うん、
2年の藤。
実は昨日の事で来たんだ。

うちの部員が申し訳ない事をしたね。」



「そんな、
わざわざ来てもらってすいません」




「いや…
一応
俺、副部長だから
状況は把握しとかないといけないからね。

それに昨日部長に話を聞いて、
俺にも謝りに行って来いって言われたし…

でも、
まさかキミだったとはね…」




「あ〜
本当に大した事ないんで。」




(へぇ、
意外とキッチリしてるんだな…
ん?
部長って…
まさか…)