その日は大雨。
もはや嵐でとにかくすごい雨だった。

その日傘を忘れて真っ暗な教室に美波は残っていた。
「あー帰んなきゃヤバいなあ。
 今日見たいテレビあんのに…
 つか雨やまないし…」
すでに7時30分。
が今から急いで帰っても7時50分になってしまう。
しかもシャワーにも入らないといけない。
(明日の話ついてけねーよ泣)

すると、1人教室に入ってきた。
(え?今頃誰?ゴリかな?)
ゴリとは担任のことだ。
顔がゴリラっぽい。つかもはやゴリラだ。

入ってきたのは幼馴染の和也だった。
「あれ?まだ残ってんの?」
「うん。つか和ものこってんじゃん。」
「俺は雨のせいで帰れないだけだよ。」
「アタシもーwあ、でも彼女は?」
「未穂は先に帰ったんじゃね?」
「そっかー。」

たわいもない話をしていると少し雨が小降りになった。
「今のうちに帰るか!」
「うん!そうだね!」
家は同じ方向なので普通に帰っているとふと思ったことがあった。
(3年前はアタシより小さかったのになあ)
3年前確かに美波よりも小さかったはずが、今は全然大きくなっている。
(手も男の人って感じだし…)
骨っぽい手にはなおさらビックリ。
(アタシは彼氏できたことないのに和にはいるもんなあ)
ついこの前まで近くにいた存在が離れていく。
そんな感じだった。

「ねーねー未穂ちゃんてさかわいいよね」
「え///か…かわいくねえよ!」
「えー最初かわいいって言おうとしたし!w」
「聞き間違いだろ///」
(和はちゃんと恋愛してる。
しかもベタ惚れ。
そりゃアタシだって恋ぐらいしたことあるし…)
なんだか急に寂しくなってしまった。
1人だけ置いてかれている気がした。

そう思っていたら家についた。
「じゃあバイバイ」
「バイバーイ」
テレビなんて忘れてずーっと部屋で考えていた。

あたしも彼氏を作ろう!
つか、まず好きな人を!