「ミッキー?」


「はいっ!?」


思いのほか、大きな声を出してしまったらしく、私の名前を呼んだ桃子はびっくりしていた。


「ご、ごめん…どうしたの?」


「うん、えっとね。クラスでクリスマスパーティーやるんだけど、ミッキーも来ない?」



桃子は元気よくニコッと笑って言った。


「あ…そっか、ごめん。ヒカル様とデートだよねー!」


「え!な…!ちが…」


「だーいじょーぶ!私はちゃーんと分かってるから!」


…なにを分かっているんだろうか。
なんか、変に勘違いしてない?


「ふたりで、あ・つ・い夜を」


……ゾォッ!!耳元で囁く桃子の声に鳥肌がたった。
声に、というより、言葉?


想像したせいで鳥肌が。



「桃子…。私とヒカルはそんな関係じゃ……って、もういないし。」



何と早い。
桃子ちゃんは忍者か?


私はため息をついて、教室に向かった。