「もうやだっ!あんな変人と同じクラスで…隣の席なんて!」


私は下校する前に、保健室へと向かった。
保健室には、のり姉がいる。


…あれ?私保健室知らないんだった……。



それもそうだ。今日転校してきたんだから。
こんな事なら、さっきゴリに聞いておけば良かった。


いつのまにか浸透した担任の先生のあだ名。


「何をしてるんだい?」


その瞬間、背筋が凍った。


………ヤツだ。


「はあ、保健室を探しているのです。」


何故か、私の喋り方がおかしくなる。


「それは困ったちゃんだね!」


………困ったちゃんって…


「こー行ってあー行ってこー行くんだよ!」


「あー行ってこー行ってこー行くんですね」


私はやる気無く再確認する。


「違うよ、こー行ってあー行って……」


どっちでもええわ!!


私は面倒くさくなり、あてずっぽに校内を走った。


「ふう。困ったちゃんな上に面倒くさ子ちゃんか。」


妖精はそう笑みを浮かべ、ゲタ箱の方へと歩いて行った。