私達は教室に戻って、一時間目の用意をした。


夏男の方を見るが、いつもと変わらない様子。
夏男は、何で桃子のチョコを受け取らなかったのかな?


「ミッキー。」


「はい?何?夏男。」


昼休みに、夏男に話しかけられる。
イキナリで驚いて、なんだかギクシャクしてしまう。


「授業中、視線が痛かったんだけど。」


「…え、あ…ごめん。」


「ちょっといい?」


夏男は教室を出て、人気の無い廊下に、私を連れてきた。


「昨日の…見てたんだろ?影から。見えてたんだけど。」


「え?…ごめん。」


「いいよ、責めてる訳じゃなくて…誤解を解いておこうと思って。」


「誤解?」


誤解、って?
どうゆう事?


私が目をパチクリさせて聞いてると、夏男がひとつ咳をして、口を開く。


「俺は、桃子に意地悪であんな事したんじゃないからな。」


「へ?」


意地悪…じゃなければなんなのか。


桃子を泣かせておいて…って、夏男は桃子が夏男の事が好きだって知らないわけだから、仕方ないか…。