「春ー」 案の定、教師が教室から出ていくと下がる声質で俺の元へやって来た。 「…テストだろ?」 「うん、数学全く分からない…」 抱えている教科書へ視線を移すと何故か化学と示されている。 「数学?」 「数学!」 明るく返る答えに溜め息が漏れる。 「お前、それ…化学」 「あっ!本当だ」 自ら確認し、慌てながら自分の席へ駆けて行く。 その様子をジッと眺めていると何やら傍に人の気配。