近道しようと普段は通らない狭い通りを抜けて、 暗い住宅街へ出ると街灯の所に二つの影が見える。 制服…髪型… まさかとは思う、けど… ようやく認識したと同時に苦しい呼吸の中叫んだ。 「っ──…柚!!」 俺の声を聞いた途端に、 一つの影がもの凄いスピードで逃げていく。 視界に入った光景は見知らぬ男に手を握られている柚。 息を切らし額から汗が伝う中、眉を寄せて柚に近寄る。 「あ、春…」 「──…お前、何やってんだよ」