夏休みのとある日、
母さんと妹の三人で
食卓を囲んでいたときだった。
中学のときからの
翼に会いたいという思いを
どうにか伝えたくて
遠回しに尋ねた。
「母さんって高校のとき
彼氏とかおったん??」
すると母さんが
箸を持ったまま驚いた顔で
「あんた彼氏おるん!?」と
逆に私に尋ねた。
正直に言おうと思い迷わず
「掲示板の人やで」と言った。
(またどうせ何か
言われるんやろな…)
そう思いながら
母さんの顔を見つめた。

すると母さんは
優しい顔をして一言、
「まだ続いてるんやね、
一度会いに行ってみる?」
と言った。
一瞬母さんの言ったことが
上手く聞き取れなかったが、
頭で整理すると
嬉しさが込み上げてきた。
「ほんまにっ!?」と思わず
大きな声が出た。
それは本当に
思わぬ言葉だったからだ。
ようやく翼に会える、
そのことしかすでに
頭になかった。