ところが渋谷に着くと
母さん達の顔が曇った。
「思ったより広いなあ…
人も多いし…」
母さん達が口々に
言い始めた。
「やっぱり自由行動は
なしにしようか」
母さんがいらないことを
言った。
恐れていた事態が
起きてしまった。
母さんがいては
レボに会うことが出来ない。

私の顔も曇った。
すると母さんは私の顔を見て
「メル友が誰かに
会おうとしとったん
ちゃうやろね、
そんなん絶対許さんよ」
と言った。
まさに図星だった。

マルキューに着くと母さんが
「じゃあお母さん達は
他のとこ見てくるから
マルキューの中にいてね」
と言った。
=範囲は狭いが自由行動だ。
希望の光が見えた。
もしかしたら
会えるかもしれない…
最後のチャンスに賭けた。

「今から会いに来て!」

レボの住むところから
渋谷まで1時間半、
私達が帰る時間まで
あと1時間半。
時間との闘いだった。