『んーいい気分。
ねぇ、大ちゃんワインが飲みたいわ…
まだ、時間大丈夫?』
大介さんは、グラスのビールを飲みほし
腕時計を見た。
『あぁ、まだ9時半だろ。
俺、今日はもう仕事しないし…
こいつらも、ガキじゃあるまいし
まだ寝る時間じゃねーだろ。
あ、ケイ、こないだ行ったワインの店は?』
『うん。あそこならフードもあるし、
このコたち連れて行っても大丈夫ね…
近いから歩いて行けるわ。
さっ、そうと決まったら移動しましょ』
お店を出た。
ケイちゃんと大介さんが前を歩いている。
5年前、初めて会った時から
二人は恋人同士。
お似合い。
まだ、結婚とかしないのかな…
隣を歩く瞬くん。
『兄さんから聞いたんだ…
こまちちゃんの事。
恵まれたお嬢様育ちだと思ってた…
誤解してたから…
オレこの前、失礼な事言ってたら…ゴメンね。
それだけ言いたくて』
アタシの顔を覗き込む。
『ううん、失礼な事なんて言ってない』
瞬くんは『よかった』と言って笑った。

