『こまちちゃんって原色が似合うね。

目鼻立ちハッキリしてるし
髪が真っ黒だから…ん?

なんか、問題あり?』



『…えっ?』



『だって、瞬きもしないで
ストラップ見てるんだもん。
どっか変だった?』



奈緒は不思議そうに
赤いストラップを見る。



『ううん、違うの。
嬉しくて…
アタシ、友情とか馴れてなくて…
こーゆーの良いね。
なんか、感動しちゃって…』



『あははっ
もう!こまちちゃんったら……
かわいいっ!!』


そう言って、
奈緒はアタシに飛びついてハグした。



『もー、クールな顔して
かわいい事言わないでよーっ。
こまちちゃんの、そーゆーとこハマる』


無言でテレてるアタシに
『こんなんで良かったら
いつでも作ってあげるからね。
まかせなさーい』と奈緒は得意げに笑った。



『あ、ヤバい…プリント!!
チェックして、すぐ返すねっ』


奈緒は慌てて前を向く。

アタシはバッグから携帯を取り出して
ストラップを付けた。


白い携帯に赤のビーズが映える。


アタシは、しばらくの間
揺らしたり角度を変えて

人生初めての
【友だちからのプレゼント】を眺めていた。