教室に入り席につく。

奈緒の肩をつつき
プリントを渡す。


『ほんとだぁ、こまちちゃん全部書いてある!』


『あってるかどうかは分かんないよ』


『ん。ありがとう!
あ…えっと、これ…』



奈緒がバッグをゴソゴソさぐり
アタシに差し出した。

手のひらには
ビーズの赤いストラップ…



『これ…作ったの。
昨日、こまちちゃん
かわいいって言ってくれたし…』


赤を基調に透明色とエンジのビーズで
花が作られている。

そこから透明なビーズがヒモ状に2本垂れ下がり、その先に小さな花が付いている。
かわいい…。



『えっ?くれるの?
わあ…かわいいっ。
うれしい…奈緒、本当にうれしい。

ありがとう…』



『うん。
よかった!よろこんでもらえて。

こまちちゃんには赤が似合うと思って…』



『え?…赤?』


『うん。赤!
ほらっ…似合うっ!』



奈緒の手から受け取り、目の前にかざす。



教室に差し込む光を受けて
ストラップはキラキラ揺れた。