きっと、30分位だったと思うけど…
アタシにはとても長い時間に思えた。
車に乗り込み
シートに身を預けた途端…
ふーっ、と息が漏れた。
ドッと疲れが押し寄せたというか
ちからが抜けたというか…
『あら…もしかして緊張してた?』
ケイちゃんの言葉で気づく…
緊張?
そっか…アタシ緊張してたんだ…
『なんで…アタシ、緊張したんだろ…』
『私が不安にさせちゃった?
何としても取りたい仕事だなんて言ったから…
こまちにプレッシャー与えちゃったかも。
まぁ、あとは、
好みだったり、しがらみだったり
先方の都合だから。
こっちは、やることやったんで
取れなくても落ち込む必要は全くなし』
『でも、せっかく色々したのが
無駄になっちゃうね…』
『ううん、全然無駄になんてならないよ。
そうね…
国語のテストがありました。
こまちが一生懸命覚えた漢字が
1問も出ませんでした。
こまちが漢字を覚えた事は…無駄だった?』
アタシは首を振る。
『無駄じゃない!アタシの知識になった』
『……そーゆーことよ』

