ママはアタシを愛してくれていた。
不器用な愛情だったけど
ちゃんと注いでくれていた。
料理は作らなかったけど
レトルトや、スナック菓子だったけど
必ず食べ物は、手の届く場所に
用意してあったじゃない。
アタシがケイちゃんの所に行くと言うと
決まって不機嫌になって…
ケイちゃんの悪口を言ってたのも
よく考えれば、ヤキモチだってわかるじゃない！
あぁ…そう！
引っ越しの時、ママが出かけたのも
アタシが出て行くの見たく無かったからなの？
モデルの事がバレて
ママが怒鳴り込んで来たときも
仕事しているの
内緒にしていた事を怒ってた。
将来は、アタシと一緒に
お店で働きたいって言ってて…
ママ、寂しかったんだね。
ママがアタシから離れたんじゃない…
アタシが…
アタシがママから離れたんだ。
それでも、ママは
勝手に出て行ったアタシの部屋を
そのままにして待っててくれた。
大事なアタシの宝物を捨てずに…
ごめんね、ママ…
今になって、やっと気づくなんて
ママはアタシを
ちゃんと愛してくれてたんだ。
