ヌードなアタシ


パパは大学病院の教授だった。

受け取った名刺には
その他にも複数の肩書きが書かれている。

まだ、40代後半くらいだから
きっと世間一般で言う超エリート。



その大学病院が、今、電車の窓を通して
アタシの目の前にある建物。

あそこに、パパはいる。




興信所で調べてたくらいだから
アタシがモデルをしている事も
大学に通っている事も知っているはず…

でも、あの日以来
特に何も言ってこない。

アタシも会うつもりは無いから
これからも、このままなんだろうと思う。



意外だったのは、ママ…


ママが援助を断ってたなんて。


だって

お店のお客さんからの電話で
バックや服や装飾品が欲しいとか

お小遣い頂戴などと
甘えた声でねだるママを見ていたし。

現に生活に余裕は無くて
お金に対する執着は強かったと思うし。

じゃあ…

自分を捨てた男への
意地とプライド…?


引き取りたいという申し出を断り
邪魔な存在であるはずのアタシを
手放さなかったのは意地?




………違う!

そうだよ、違う。