ー3年後、7月ー
『腹減ったぁ。
俺、今朝から何も食ってねぇんだ。
桜木、メシ付き合え』
午後の講義が終わって
講堂に居残り、レポートを仕上げてると
卓己くんがヨレヨレの白衣を着たまま
やって来た。
『いいよ、アタシも食べてないし』
アタシはノートパソコンを閉じて
席を立った。
春、大学に入学後
キャンパス内で卓己くんと会ったのには
驚ろいた。
まさか、同じ医大を受験していたとは
思ってもいなかったから…
高校生のあの頃と同じように
肩を並べて歩く。
背の高さは、結局変わらず
アタシと卓己くんは、ほぼ同じ身長。
不思議なくらいに
なんの違和感も無く時間は戻った。
『夏休み、どうすんの?』
『ん…ここに来るか
図書館に行くか、かな…』
『…だよな』
大学の食堂は2時には閉まる。
アタシ達は近くにある
安くてボリューム満点の定食屋に入った。

