コンクリートの広いロビー。
エレベータを上がり受付で少し待った。
奥から男の人が二人出てきて
ケイちゃんと挨拶し
アタシ達は
すぐ手前の応接ルームに通さた。
ケイちゃんは
バッグから取り出した
写真や手書きのイラストをテーブルに広げ
説明をしはじめた。
テーブルを挟み
向かいに座っているのは
30歳位のトレーナーを着た人と
50歳位の灰色の背広を着た人…。
上半身ハダカ…
背中…
冷静なケイちゃんの声。
背広の人は、何度もアタシを
チラチラと見ていた。
アタシはケイちゃんの声に耳を傾け
ただ、じっとしていた。
『こまち、キャミになって立ってくれる?』
アタシは、上にはおったシャツを脱ぎ
ゆっくり椅子から立ち上がった。
ドア側の
少し空間の空いてる場所に移動し
肩のちからを抜いて
真っ直ぐ立つ。
少し時間を置き
横、後ろと向きを変えた。
『ありがとう、座っていいよ』
そう言ったのは背広の人だった。

