ヌードなアタシ


こんな時
卑屈な態度や同情を誘うような素振りは
かえって逆効果。

アタシは、あくまで冷静で
大人の利害や立場などに屈しない態度を
取らなければならない。


これだけ騒がれたら
学校側にバレてしまうのも
時間の問題だと思っていた。


馬鹿げた根も葉もない誤解を解いて
この騒ぎを静めないと…って。



自分の意志でないのに
学校を辞めたり
モデルを辞めたり

そんなの絶対に納得しない。


アタシの事は
アタシ自信で決める。



先生も教育者。

強く学びたいという意志があり
その環境を自らの努力で切り開こうと
努力する弱者であるアタシを
そう無下には出来ないはず。


アタシは自分の意志が
ちゃんと伝わるように
持てる限りの誠意をもって話した。





『…例外を認めるわけにはいかない。
ただ、桜木の状況はわかった』


しばらく続いた沈黙の後
先生は、そう言ってアタシを見た。


『いつからモデルやってんだ?』


『小学校の頃からです。
その頃は叔母の仕事の手伝い程度でしたけど』


『そうか…』


さっきの様な威圧的な空気は薄れて
アタシの緊張も少しほぐれる。