『桜木…テレビに出たって本当か?』
職員室に入り先生に声を掛けた途端
明らかに怪訝そうな顔で言われた。
『………はい。』
先生は黙って席を立つ。
『こっちへ来なさい』
進路指導室へとむかう先生の後を
黙ってついていく。
学校でアルバイトは禁止されている。
今回の事を多めに見てもらい
停学を免れたとしても
モデルを続ける事は許して貰えない。
向かいあって座ると
先生は腕を組みアタシを見据えた。
アタシも、じっと先生の目を見る。
『君は…成績優秀だ。
しかも、ずば抜けてな。
言葉や服装の乱れも無いし
浮ついた事なく真面目に学校生活を
送っていると思っていたぞ…』
『はい。浮ついてなどいません』
『大人の世界に首を突っ込み
芸能人と交流があると聞いている』
『噂をうのみにしないで下さい。
私も戸惑っています。
先生に相談しなかった事は
…良く無かったと思います。
申し訳ありませんでした。
ただ、私には、こうするしかないのです』
先生は黙っている。
アタシは話を続けた。

