いったんは、先生が来て中断となったが
騒ぎは徐々にエスカレート。
昼休みになった頃には
人から人へと、一人歩きしたアタシの噂話は
有ること無いこと勝手に膨れあがり
他のクラスまで広がっていた。
『なんか、すごい事になってるぞ…
俺のクラスでも騒いでる』
いつものように
中庭でお弁当を食べていても
入れ替わり立ち替わり
数人の見知らぬ生徒達が
遠巻きにアタシ達を見て何か話している。
『………うん。どうしょう…』
ずっと、こんな調子。
休み時間になると
教室の廊下の窓に人だかりが出来る。
堪えきれずトイレや屋上に逃げ込んだ。
『俳優の誰それと付き合ってるとか
歌手デビューするとか噂になってるぞ…』
『まじに!?…ありえないって!』
ため息が出る。
『まぁ…誤解で振り回されないように
なんとかしねぇとマズいかもな』
『…うん。』
卓己くんの予想は的中した。
放課後、アタシは担任に呼ばれた。

