『…あぁ。もう、会わないって言ったよ、
昨日ウチに来て話し合ったの』
他人事の様に表情を変えずに答える。
冷静に話せてる自分を
意外に思いながら。
『ふーん…いいんだ?それで』
『うん。いいの、これで』
アタシは立ち上がり
バッグを肩にかける。
『今日も事務所に寄らなきゃ…
アタシ、思ったよりちゃんとしてるし
思ったより元気みたい。
ありがとう…
出来たら、明日も
アタシの事、気にして話しかけてね』
『なんだそれ?
…ほんと、おんなって意味わかんねぇし』
そう言いながらも
卓己くんは、じゃ、明日な…と言って笑った。
教室を出たところで別れ
アタシは小走りで学校を出る。
『こまちちゃん…』
えっ…
足を止め振り返る。
瞬くんが校門の前に立っていた。
『……瞬くん?』
はっ…とする。
奈緒を待っているんだ…
『な、奈緒は早退したから、いないよ』
アタシは、そう言って
走ってその場を離れた。

