ヌードなアタシ


『恋愛での
こういう価値観の違いって大きいわ。

求めているモノが自分の心に届かない
もどかしさとか、悲しさとか。

あぁ、こんなヒト
好きにならなきゃ良かった…
なんて思ってる人たくさんいるもの。

人を好きになってしまうのって
理屈じゃないし、時には誰かを傷つけるし。

好きになっちゃいけないと思っていても
ブレーキが効かない…。

好きという気持ちに罪は無いの。

それが瞬くんと奈緒ちゃんに芽ばえた
感情だったとしても。

だから悪意に取って
恨んだりするのは違うと思う。

辛いけど、乗り越えるしかないのよ』




『うん…分かってる。
アタシだっていけなかった。

瞬くんはアタシのこと
クール過ぎて
時々寂しくなるよって言ってた。

アタシ自分の気持ちを
素直に伝えるの下手だから。
誤解されてもしょうがない部分あると思う』



小さな声でつぶやき
ちから無く、うなだれる。



『もうっ!
変なトコで落ち込まないの。
こまちは充分素直よ。
気づかない方が問題なんだって。

瞬くんね、その事も言ってた。

『オレに関心が無いのか
何かあっても
こまちちゃんから
踏み込んで聞いて来ない』って…

全然違うわ!
こまちは、
人が悩んだり、苦しんだりしていても
決して相手の心の中を
土足で探るような事はしない。

相手の気持ちが落ち着いて
打ち明けてくれるまで
じっと見守っている子なのって…
私、言ってやったわ』