『もう…いいよ。
話し合うもなにも…
瞬くんと奈緒はお互い好きで
一緒にいるんだもん。
結論は出てるんだし…』
涙をぬぐいながら
アタシは席を立った。
『ママの事で励ましてくれた時は
嬉しかった…
あの時は側にいてくれて
本当に心強かったんだよ…
色々ありがとう…
でも、もう会わないから…』
アタシは居間を出て
部屋のベッドに倒れ込み泣いた。
居間から話し声が微かに聞こえる。
低く途切れて
何を言っているのかは分からない。
少しして
2人の足音が玄関に移り
ドアの閉まる音と共に消えた。
『こまち?』
ケイちゃんの優しい声。
ベッドの脇に腰掛け
ティッシュの箱を差し出す。
『瞬くんは、年上なんだけど…
全くお子ちゃまね』
アタシはティッシュを取りだし
涙を拭き、思いっきり鼻をかむ。
『ビビって違う女に逃げるなっちゅーの。
大ちゃんが言ってたケド
甘えん坊で育てられたから
自分の事しか見えなくて
余裕が無いんだって。
まだまだ包容力がない
コドモだったんだね…』

