ヌードなアタシ

ケイちゃんが促すまま
瞬くんはアタシと向かい合う様に座った。

大介さんは奥のソファーに座る。


『今日、オーディションだったんだね…』


うつむいてるアタシに
瞬くんが話しかけた。

いつもと変わらない話し方。

アタシはゆっくりと顔をあげた。


真顔…というか、こわばった表情を
無理矢理変えるように
瞬くんは口元を少し緩ませて笑う。


顔を見た途端ずっと堪えていた感情が
堰を切ったように流れ出す。


『…奈緒は…なんで泣いたの?』


絞り出すように
やっとの思いで言葉を発した。

瞬くんは視線を落とし黙り込んでしまう。

暫く沈黙が続いた。



大きくため息をついて
瞬くんが話し出した。



『マックで合流した日…

初めて顔合わせした時の帰り
方向が一緒だったから
奈緒ちゃんを送っただろ?

その後…話が盛り上がっちゃって…
話も尽きないし
部屋でお茶でもって誘われたんだ。

俺も、こまちちゃんの事で
相談に乗って欲しい事もあって
部屋に行った。

奈緒ちゃん積極的なコだから…


でも、オレ、こまちちゃん好きだからって
彼女に言ってたんだけど…
絶対、バレないようにするって言われて。

その…情に流されてと言うか…。

オレ自身も、どうしたらいいか
解らなくなってて…

こんな事、言える立場じゃ無いんだけど
オレは、こまちちゃんが好きなんだ…』